機械学習に意思決定論? ⑤

機械学習に意思決定論? ⑤

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今回はDTの活用法です。

前回③までの連載を読まれて、このままでは解決策が見つからないと思われた方は、このシリーズの①を読み返してください。

 

欧米流の論理的思考では、Induction Step(帰納法)が基本です。そして主に問題を複雑にしている要因は、Duality(多重性)にあります。欧米流の帰納的な思考法は、多重化している要素を最も単純にした形に変更(仮定)し、単純な問題が解ければ一段階複雑な問題に変更し解決する、このようなプロセスを繰り返して最終的に最も複雑な問題を解くことが論理的思考と言えます。

 

従いまして、ラーソン氏のDT分析にも何らかの仮定を設け、問題の単純化を行うことで解決に導くことが可能になると言えるでしょう。例えば、前回のDT作成の解説で、院生たちが疑問に思った点を投げかけてみてはいかがでしょう。もしラーソン氏が、判決結果が林野庁の意思決定に100%関係ないと判断しているのであれば、DTの中の判決結果を削除することができます。更にそうであるならば、オプション契約を延長すること自体、論理的はありません。この点をラーソン氏に確認・納得してもらえるのであればラーソン氏のDTは従来のもの(旧オプションのまま意思決定をし、林野庁の判断を受けて開発するかどうかを決めれば良い)になります。

 

次の仮説として、ラーソン氏に「現在、このプロジェクトを通してRP社にとって最も大切なことはOutcome(最終的な利益)ですか?」と聞き、答えが“Yes”であったならば、各不確実性に伴うOutcomeのセットを比較することで、DTを単純化することができます。(以下図1&2を参照)

記事0824_5-1

図1:Outcome(利益)によるDirect Choice 第1段階

 

記事0824_5-2

図2:Outcome(利益)によるDirect Choice 第2段階

 

従いましてこの場合も、前段の議論と同じラーソン氏のDTは従来のもので、ラーソン氏が取りうる戦略は3つであることが明白です。(図3参照)

記事0824_5-3

図3:Outcome(利益)によるDirect Choice のDTと戦略

 

さて、このような結果をラーソン氏に説明・納得いただけるのであれば、ラーソン氏は突然降って湧いた「環境保護団体からの提訴とその裁判」に動揺しただけであって、冷静に考えれば意思決定の要素ではないので悩みは解決したことになります。しかしラーソン氏が、この結果に納得しない場合や前の質問でRP社にとって大切なことはOutcomeだけではないと答えた場合は、この結論を示し説明をしたのち、更なる複雑な問題の解決策を考査することになります。

 

この続きは、次回以降に行います。

 

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